本記事では、ぬいぐるみを対象としたトコジラミ対策について詳しく説明します。
高温での洗濯や乾燥、冷凍、掃除機を使った方法など、様々な対策を紹介します。
洗濯・乾燥機・冷凍でトコジラミを駆除!
高温で洗濯・乾燥して駆除する
トコジラミは高温に弱いため駆除できます。しかし一定以上の温度が必要になります。特に、卵は耐久力があるため、60℃以上の温度でないと完全に死滅しません。
ぬいぐるみを高温の水(60℃以上)で洗濯し、その後、高温の乾燥機で乾燥させることで、トコジラミの成虫や卵を効果的に駆除することができます。
家庭の洗濯機で高温(水・乾燥機)が使えない場合は、コインランドリーでの高温乾燥機を利用することも考慮しましょう。
※注意点
ぬいぐるみのタグやケアラベルを確認し、素材が熱に耐えられるか確認してください。
どうしても高温に耐えられないぬいぐるみは、他の駆除方法(専門クリーニングなど)を検討することをお勧めします。
乾燥機でトコジラミを駆除する方法はこちらの記事で詳しくまとめてます。
トコジラミは熱湯で駆除できる?
ぬいぐるみに熱湯をかけることは、トコジラミの駆除に有効な手段です。しかし注意点が2つあります。
注意点1 : ぬいぐるみにダメージの可能性
ぬいぐるみの素材によっては、熱湯をかけることで形が変わったり、繊維が傷んだりすることがあります。
特に繊細な生地や詰め物に熱が影響する可能性があるので、素材を確認することが重要です。
注意点2 : 部分的な駆除のリスク
熱湯がぬいぐるみの内部まで均等に行き届かない場合、トコジラミやその卵が完全に駆除されない可能性があります。
外側だけを処理しても内部に残るリスクがあるため、効果が不十分になることも考えられます。
乾燥させる際にも十分な時間を取ることが重要です。心配であれば、専門クリーニングなどを利用するほうが安全で効果的です。
トコジラミを冷凍して駆除する
トコジラミは低温に弱いため、冷凍による駆除が可能です。
米国ペンシルベニア州立大学(Penn State University)の昆虫学者、Stephen Kells博士の研究によると、-17.8℃以下の温度で最低48時間、理想的には72時間以上冷凍することで、トコジラミの成虫、若虫、卵のすべてを死滅させることが確認されています。
そのため、ぬいぐるみをビニール袋に入れて密閉し、冷凍庫で48時間以上凍らせる方法も効果的です。
一般家庭用冷凍庫の適正温度はJIS規格で「-18℃」と定められているため、この温度であれば、理論上トコジラミを冷凍で駆除することができます。
掃除機で吸い取る
掃除機だけではトコジラミの卵や隠れた虫を完全に駆除できません。そのため、高温処理や冷凍といった他の対策と併用することが重要です。
ぬいぐるみを掃除機で吸ってトコジラミ対策する場合、まず、ぬいぐるみの表面をしっかり吸い取ります。ブラシアタッチメントを使うと繊維に絡まった虫を効果的に除去できます。
また、掃除機にHEPAフィルターが付いている場合、吸い取った虫や卵が再度空気中に戻るのを防ぐことができます。
HEPAフィルターは、非常に微細な粒子を除去するためのフィルターで、空気中の花粉、ダニの死骸、カビの胞子、バクテリア、そしてトコジラミなどの微小な生物やその卵を吸い取るために有効とされてます。
トコジラミに効くスプレーで駆除する
シリカベースのスプレーは、トコジラミの外骨格を乾燥させることで駆除します。一方、ピレスロイド系の殺虫スプレーは化学成分でトコジラミを直接殺虫します。
これらのスプレーは、トコジラミの成虫や幼虫、卵にも効果があり、迅速な駆除を行うことができます。
トコジラミは服につく
トコジラミがぬいぐるみに潜んでいた場合、服や体に移動することがあります。
トコジラミは体温や二酸化炭素に引き寄せられます。
さらに、畳んでいる服にもトコジラミがつくことがあります。トコジラミは暗くて隠れやすい場所を好むため、クローゼットや引き出しに入り込み、服に付着してしまうこともあります。
トコジラミの移動
- 接触で移動する:トコジラミは飛べないが、歩いて移動し、接触で服や持ち物に移ります。
- 隠れ場所に注意:畳んだ服やクローゼットの中にも潜むことがあり、着用していない服にもつく可能性がある。
対策
- 高温洗濯:60℃以上で洗濯・乾燥する。
- 収納場所の確認:定期的にクローゼットや引き出しをチェックし、トコジラミの兆候がないか確認する。
トコジラミが服についてるかの確認方法
トコジラミが服についているかを確認する方法には、以下のポイントがあります。
肉眼での確認
- トコジラミは5〜7mm程度の大きさで、茶色または赤茶色をしているため、目で見て確認することができます。特に、縫い目やポケットなどの隠れやすい部分を重点的にチェックします。
- 黒っぽい小さなシミ(血の跡や糞)や、小さな透明な卵が付いている場合は、トコジラミが潜んでいる可能性があります。
洗濯時の確認
洗濯前後に服を念入りに確認します。そして、洗濯機のドラムやフィルターに、トコジラミやその卵が残っていないか確認することも重要です。
粘着テープで確認
粘着テープを使って服を軽くなでるようにし、トコジラミや卵がつかないかを確認します。
洗濯機するとトコジラミは他の服にうつる?
トコジラミがついている服とついていない服を同時に洗濯機で洗うと、トコジラミがついていない服にもうつる可能性があります。これは、トコジラミが水に強く、洗濯中でもしがみついて生き残る場合があるためです。
特に、以下の状況が考えられます
- トコジラミが耐える場合:トコジラミはかなりしぶとく、一般的な洗濯の水流や中程度の温度(40℃未満)では、洗濯物から完全に落ちないことがあります。そのため、トコジラミが洗濯中に他の服に移動することが考えられます。
- 卵の生存:トコジラミの卵は成虫よりもさらに頑丈で、通常の洗濯では駆除できない可能性があります。この卵が別の服に付着し、後に孵化して問題を引き起こすリスクがあります。
この場合も、60℃以上の高温で洗濯することで、トコジラミの成虫や卵を効果的に駆除できます。
洗濯槽にトコジラミや卵はつく?
トコジラミがついている服やぬいぐるみを洗濯した場合、洗濯槽にトコジラミや卵がつくことがあります。
トコジラミは耐性があり、特に卵は非常に小さく頑丈なので、通常の洗濯では完全に洗い流されない場合があります。洗濯槽の内部やドラム部分に卵や成虫が残り、次に洗濯する服や物に移るリスクがあります。
40℃未満の低温で洗濯を行った場合、トコジラミが生存し、洗濯槽や次に洗う物に移動することがあります。
洗濯槽洗浄時のトコジラミ対策
トコジラミの成虫や卵を洗濯槽から除去するためには、カビ取り専用の洗剤でもある程度の効果が期待できますが、特に有効な洗剤や方法がいくつかあります。
有効な洗剤や対策
- 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム): 塩素系漂白剤はトコジラミの卵や成虫に対して効果があります。これを使って洗濯槽を清掃することで、トコジラミを物理的に除去できる可能性が高いです。洗濯槽の洗浄モードやクリーニングサイクルで塩素系漂白剤を使うことが推奨されます。
- 酸素系漂白剤: 酸素系漂白剤もトコジラミ駆除に有効です。塩素系漂白剤ほど強力ではないものの、トコジラミや卵を洗い流すことができます。洗濯槽の清掃や定期的なメンテナンスに適しています。
- 高温設定: 洗濯槽のクリーニングを行う際、高温(60℃以上)の設定を使うと、トコジラミの卵や成虫の駆除効果がさらに高まります。熱はトコジラミの卵に対しても有効です。
洗濯機のメーカーによっては、塩素系漂白剤や酸素系漂白剤の使用が推奨されない場合もあります。
洗濯機の部品(ゴムパッキン、ステンレス、プラスチックなど)の素材によっても影響が異なるため、取扱説明書を必ず確認してください。
カビ取り洗剤の使用
カビ取り用の洗剤も、トコジラミの成虫や卵を洗濯槽から除去する際にある程度効果がありますが、トコジラミ専用の駆除剤ではないため、殺虫効果はそれほど強くないかもしれません。
トコジラミが洗濯槽に付着している可能性がある場合、より強力な塩素系漂白剤を使う方が効果的です。
トコジラミは水につけて駆除できる?
駆除できません。
トコジラミは耐久力が高く、数時間から数日間水中にいても生き延びることがあります。長期間水に浸けることで溺死する可能性はありますが、現実的ではないため、駆除できないと言うのが妥当です。
また、卵は特に強力な保護膜に覆われており、水中でも簡単には駆除できません。
まとめ
トコジラミのぬいぐるみ対策は60℃以上の高温洗濯・乾燥や冷凍処理、さらには適切な駆除スプレーや掃除機を使うことで、効果的に駆除することが可能です。
また、素材に応じた方法を選ぶことや、洗濯機や乾燥機の使用については取扱説明書を確認することが重要です。
トコジラミはしぶとい害虫であるため、正しい対策で大切なぬいぐるみを守りましょう。